でい荘

独自性重視

2022年12月13日ものまねグランプリでの「惨劇」について考える

まえがき

 2022年12月13日に放送された「ものまねグランプリ」。そこで起きた「惨劇」って何なんだ?

 

 それはよよよちゃん」がBブロックで披露した大瀧詠一のものまね(歌まね)(大瀧のものまねは43:30~)である。彼のものまねは正直言って、似ていなかった。いや本当に似ていなかった。これに加えて「よよよちゃん」が出場し、ものまねを披露しているはずなのに、画面に映っているのはサミーコイワという白髪のオッサンであった。

 この酷さは私に驚きと呆れをもたらすのに十分なものだった。しかしまた同時に、この惨劇がなぜ生まれてしまったのかという疑問をもたらした。今回はこの事件の問題点を明らかにしつつ原因について考えてみる。

 

考察

 この事件の問題点は3つ。似ていないということと、恰好が時代錯誤であること、そしてサミーコイワを含む3人でものまねを行ったにもかかわらず「よよよちゃん」として出場したことである。

 サミーコイワの歌まねは驚くほど似ていなかったので、彼がYouTubeに上げている大瀧のカバーを聴いてみた*1。するとどうだろう、まあまあ似ていたのだ。色々聞いていく中で彼の似ていない部分が分かってきた。それはサビになると弱いということである。大瀧詠一本人の持つあの悶えともいえるような心に響く歌声は彼には出せていない。今回の「君は天然色」のものまねはサビの部分のみであったため、あのような醜態となってしまったのではないか。

 サミーコイワは顔も似ていなかったが、そもそも白髪のかつらに黄色いシャツという彼の恰好は時代錯誤なのである。大瀧詠一は1985年にシンガーソングライターとしての活動を休止し、またライブも6月のはっぴいえんど再結成ライブを最後にこれ以降行うことがなかった。その頃の大瀧はまだ白髪になっておらず、ものまねのような姿で「君は天然色」を披露するというようなことは無かったのである。しかしものまねする以上モデルがあるはずで、それは何かというと1981年6月1日の厚生年金会館で行われた大滝詠一 A LONG VACATION コンサートでの「君は天然色」である。その映像を見ると服装が一致しておりサミーコイワはこれをまねたのだと分かる*2。ただその分白髪という異物がやはり目立つ、彼はなぜあのような姿でものまねをしたのだろうか。

 その疑問を考える前に「よよよちゃん」として3人がものまねを披露したのはなぜかという疑問に答えたい。それは「よよよちゃん」が今回披露したシティポップメドレーが番組側の企画に依るところが大きく、よよよちゃんに三曲をものまねさせることが負担が重く難しいと考えた番組がシティポップのカバーをしていたサミーコイワと、内野まき子*3に声をかけたが、いかんせんネームバリューの皆無な二人であるため「よよよちゃん」名義での出場になったのではないか。これが私の考えである。

 それを踏まえると、サミーコイワが白髪姿でものまねをしたのは、プログラムの構成を企画した番組側が顔が似ていない*4彼を用意していた晩年の大滝詠一のイラストに近づけようと白髪のかつらを被せたからだと考えられるのだ。

 

結語

 あの惨劇は以上のような要因のもとで起こったと私は考えている。なので責任については番組が責められるべきであるし、サミーコイワにバッシングを送る人々には冷静になってほしい。適切なものまねが行われることを願いつつこの記事を終える。

*1:サミーコイワ - YouTube

*2:https://youtu.be/fKoqjnvnZ-s

*3:彼女についてはネットからあまり情報を得られなかったので詳細は述べない

*4:顔が似ていないのは彼が認めるところでもある。